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人のふり見て我がふり直せ~情報カスタマイズ出来てる?~

【1ヶ月で体重マイナス5kg!】
こういうキャッチコピーが帯についてるダイエット本、さぞかし売れるんでしょうね。
手に取る人はもれなく、
「自分も1ヶ月で5kg痩せられるんだ!」
そう思うのでしょう。
でも、そう思っている人の体重は一体何kgなんだろう?
そもそも男性?女性?
年齢は?
同じマイナス5kgでも、100kgからスタートする人と50kgの人とでは、インパクト全然違いますよね?
ちなみに、安全な減量の目安、ご存知でしょうか?
それがわかれば【1ヶ月で体重マイナス5kg!】の心踊るキャッチコピーは「誰に向けたものか」がわかり、
そのメソッドが自分に適しているのか?の判定が出来るというものです。
だがしかし、そんな風に考える人はどれほどいるだろう……?
【安全な減量の目安は1ヶ月に体重の5%まで】
ということは、心ときめいたあの数字、想定される人物像、つまりメソッドのターゲットは
体重100kgの巨漢だった!!
ところでアナタの体重、何キロ?
他にも、「医者が教える食事術」なるものが続々刊行されていますが、
その医者の専門は何?
そこまで気にして読んでますか?
「体にいいと思っていたけど違ってた!知らないって怖いわ~」
そう喜んでばかりもいられないと思うのですよ。
糖尿病の専門医が書いた本なら、そのターゲットは、ほぼ糖尿病患者、ですよね?
小児科医がわざわざ高齢者医療の本、書かないもの。
同じ「食事術」といっても、
【誰の為の食事術なのか】は違うんじゃない?
そう立ち止まって考える人はこの世にいないのだろーかー?
なんで皆あっさりとありがたく鵜呑みにするのだろう…(医者という肩書きにヤキモチ・笑)
医者が書いた本も読み比べてみると真逆の事を言ってるなんてザラにあることだし、
中にはなんの根拠もない持論をぶちかましてるだけのトンデモ本も混ざっているとかいないとか。
成果があった!と言ってもそれは動物実験の話で、酷い時はハエの実験だったりとか。
それを読み手に「自分事」とイメージさせてしまう「書きよう」はまさにプロの仕業。(本人が書いていない疑惑・笑)
行間を読むって難しいよね。
とにかく、その内容が極端であればあるほど、ターゲットも特殊だと思って間違いないかと。
糖尿病の専門医が書いた糖尿病患者向け(とは限定されていないけど)の食事術は
まず糖質制限から始まり、それもかなり特殊な話であることが多い印象です。
それもそのはず、生活習慣病として糖尿病を発症する患者さんの食生活は、そもそも大きく偏ってるのですから。
そこをスタートにした食事術です。
普通の健常者が同様に実践したら、行き過ぎになるのは想像にたやすいでしょう。
その行き過ぎが、短期間での顕著な変動として現れます。
やる方は「短期間で痩せた!結果出た!」と大喜びでしょうけどね。そもそも1ヶ月に体重の5%が減量の限界だと知らないのであれば、そこに危機感も感じません。
50kgの人がひと月で5kgも痩せたら「病気か?!」と私は心配になりますけど。
そして、その極端な変動は体にとって大きな負担であり、それでも若ければ自然調整能力によってカバーもできますが、
50代、60代、その先…と、同じ食習慣を続けて果たして健康でいられますか?
近視眼的な結果だけに一喜一憂し、10年後、20年後を想像出来ないのでは悲し過ぎます。
ダイエットとは本来「生活習慣」「生き方」という意味です。
50歳もすぎますと、一生涯に渡って通用する価値観、智恵を早くから身に付ける重要性をひしひしと痛感します。
「糖質さえ制限すれば肉やウイスキーなら好きなだけ食べて飲んで大丈夫!」なんて平気で言える医者など、私だったら「んなわけないだろ!」と突っ込みますけどね。
中にはいらっしゃるのです。信じられない発言をする医者も。(しかもそこそこ有名人だったりする)
太ったのも、糖尿病になったのも、その食べ過ぎ飲み過ぎが原因なのは明らかなのに、
ビールをウイスキーに変えたら人類はみな平和ですか?
肉に含まれる脂肪の過剰摂取は放っておいて大丈夫ですか?
極端な嗜好の患者に寄り添った苦肉のアドバイス、ともとれなくはないですが、
人間は基本的に自分の都合の良い話だけを選択し、さらに都合良く解釈する生き物だと思っています。
本当にターゲットの健康と幸せを願うなら、多少は厳しいことも、本質的なことも発信して欲しいなー、と切に願う今日この頃です。
情報は自分に合わせてカスタマイズしないと後々痛い目をみます。その為に、カスタマイズできる智恵を磨くべし。
物事の本質、軸を見失わないこと。
自戒をこめて。